Clusterに猫島を作りました。

ログ

220219 まだ書きかけです。
220220 一応最後まで書いた。

はじめに

日本発のバーチャルSNS 改め メタバースプラットホーム Cluster で 開催されている お題企画 でワールド制作を行いました。

前回のお題企画の投稿時にも、作りながら考えたことをメモがてら残して自分の中ですっきりできたので、今回も書いておこうと思いました。
(アップロード、更新の時間待ちにもちょうどいいなと思って。)

今回のお題は「大にゃんこ祭」

Twitterで 「#大にゃんこ祭」 というハッシュタグを検索すると世界が猫で溢れます
今回もたくさん巡ってます。ねこってすごいな、と思います。
明日(今日)がお題の締め切りなので、ここからさらにドッと増えそうで楽しみです。

猫にまつわるワールドとして僕は以下のワールドをアップロードしました。
(現在も絶賛更新中)

通学路@猫島 | メタバースプラットフォーム cluster(クラスター)
【校則:登校中に見つけた猫は連れてくること】この島では毎朝グラウンドで猫の数を確認するらしい。#大にゃんこ祭 #clusterお題企画※猫を本気で集めたい方へ・集めても何も起こりません。・建物の中や島の地中、その他プレイヤーが侵入できない場所に猫を入れると回収不可能なので、気を付けてください。・フレンド or プライベ...

舞台は猫島。
島中に散らばっている101匹の猫を学校のグラウンドに集める(集めなくてもいい)ワールドです。

 

前回のお題と打って変わって今回は自由度が高く「猫さえ想像できればもう猫がいなくてもいいんだろうなぁ・・・」とか思いながら、何を作るか考えはじめました。

「そういえば、こういう場所を作ってみたいと思っていたんだった」
と思い当たる題材があったので、その舞台を猫島とすることで今回のお題として制作を開始しました。

当初どんなことを考えて作り始めたのか、作っているうちにどういう風に考えが変わったのかをメモします。

画像
猫を集めている人たちを遠くから眺めた。圧巻。

構想について(2021年秋頃の話)

昨年、コロナウイルス感染症が収まった(かに思えた)秋~冬口の頃、友人たちと旅行に行くことがありました。
一年以上、仕事もほぼ在宅。人と出かけるとしてもほんの一瞬という生活を続けていた中、ひさびさの羽伸ばしでした。

とある県に宿を借りて、肉を焼いたり、音楽を流したり、走り回ったり、ボードゲームをしたりし初日を終え、二日目は街中の散策を行いました。

 

二日目ですが?レンタカー数台で街に繰り出したので、ゴールまで数グループで別々に行動。
連絡を取りながら目的地で合流。
せっかく集まったかと思えば、気がついたら誰かいなかったり、川を泳ぐ鳥を写真におさめようとしたら自分も皆からはぐれたり、合流しようとして歩いていたら雰囲気のいい路地を見つけてしまって吸い寄せられたり、その先に「ここ夜に絶対雰囲気いい居酒屋じゃん~夜来たかった~」と思う場所を見つけたり。

「ひさしぶりのリアル、おもしれぇ~~!!!!」
と思いました。

物体のテクスチャの解像度高すぎ!
とか、
リアルアバター、表情豊かすぎ!(バーチャルじゃまだ顔芸できない)
とか、
同時接続数、多過ぎ!
とか、
現実の凄まじさに色々ショックだったのですが、中でも上に書いたような「そこで何が起こるか分からない偶然性」みたいな面について一番、ひさしぶりだなぁと思いました。こんなに思いもよらない一瞬一瞬に出会えるとは、現実は凄い。
こういう、設計しようのない瞬間や空間を、どうにかしてワールド制作に反映させられないかなぁ、と思っていました。

 

しばらく時間がたって、1月のお題企画を経て、自分なりのメタバースやclusterへの思いのようなものを振り返ることができ、その中で「そういえば今回の四畳半では、シーンとしては出会いの場面を切り取って表現を試みたものの、自分は人が出会うようなワールドをあまり作ってこなかったな」と気がつきました。

 

みたいなこと考えていたある日
「通学路って、その日途中で会った人と一緒にあるいてたなぁ。電車の時間や起きる時間がまちまちだった自分にとっては、だれと会えるかは完全に運ゲーだった気がする」
と思い当たったところで、今回の構想が出来上がった気がします。

 

皆がひとつの目的地を目指して、いろんな場所から集まってくる。
そういう漠然と描いていた絵が、学校への通学路というシーンに収まったことでしっくりきました。
その偶然性を生むための仕掛けの部分はスポーン地点を動かすことで実装できそうだし、アイデアとしては現実的だと思えました。

現時点では、
・スポーン/リスポーン地点は真っ白な玄関
・ドアに向かって歩くとワープ
・ワープ先が島の道の上を高速で移動している
という方法での実装に落ち着きました。

同時に誰かとログインした時、玄関までは一緒にいるけど、ひとたびドアを出たら一人になる。
という流れで
「どうやら別々の場所に飛ばされたらしい、合流しよう」
という気分になるかなと思って、この仕組みを選びました。

(今後のアップデートで合流時に「ここに来るまでに○○見たよ」「なんそれどこどこ」みたいな話題になるようなものを各所に置けたらなぁと思ってます。)

 

というのが構想までの話。

 

お題企画にのせることになってから(2022年になってからくらいの話)

上のような状態で、お題企画として猫を突き付けられたわけですが、これについては素直に自分が過去に経験した猫にまつわる体験を踏襲しようと思いました。
猫は飼ったことがないですし、縁がなく猫カフェに行ったこともないですが、猫島に遊びに行ったことはあります。

港の近くに人懐っこい猫がたくさん住んでいたり、ちょっとひねた感じの猫は集落とは少し離れた道で海を眺めてたり、それでも本当に人っ気のない場所ではあまり猫も見つけられなかったり、猫島を作るからにはそういう部分を再現したいなと思いました。

 

その状態でワールドとして作るにあたって、

島にたくさん猫を置くんだから、どうせなら手に掴めるようにしよう。

通学路で猫を拾えるんだったら、道中見かけた猫をみんなで見せ合ったり数えたりする一幕があっても面白いかもしれない。

集めた猫を並べよう。

というのは自然な流れだったと思います。

 

僕が訪れたことのある猫島には海に面した広いグラウンドのある学校があったのが印象的だったので、校庭に猫を並べるという発想に至り、その流れで

「登校中に見つけた猫は連れてくること」という校則と、
「この島では毎朝グラウンドで猫の数を確認するらしい」という一文を
ワールドの設定として、詳細欄に記すことになりました。

猫の数は、22(にゃんにゃん)匹にするのか、25(にゃーご)匹にするのか、75(なーご)匹にするのか、、、など悩みましたが、最終的には101匹ニャンチャンとして、候補の中では一番大きい数字になりました。あとで書くと思いますが、結果的にこれでよかったと思ってます。

 

学校や堤防、その他ちょっとした部分は、リファレンスとして現実の猫島をグーグルマップで見ながら写真を集めてモデリングしました。

作っていて「猫島の学校に通学したこと、無いな~」と思ったので、実際に自分が歩いていた通学路のような部分も作ってみました。島の階段の部分です。見晴らしがすごく良くてお気に入りです。

 

あとは猫。手こずりました。まだ100%納得いってはいないです。
あまりリアルなものや、どこかで見たことのあるものにしたくなかったので、ローポリで(これは猫?)くらいの感じのものを作ってみました。

「猫島」というワードがあれば、箱が置いてあってもそれは猫として伝わるだろう。と思っていた時もありましたが、動物みを帯びた造形になる事で大幅に雰囲気が変わったので、ここは重要だったなと思います。箱から猫をモデリングすると、どの段階で猫になるのだろう。

画像

↑猫がまだ箱だった頃。シュレディンガーの猫。
 

画像

↑猫(?)。

アップロード後

ということで、何とか島や家、その他諸々のモデリング作業を終え、101匹の猫を持てるようにし、それらしい場所にそれぞれ配置し、アップロードしました。

 

自分でも遊んでみて、また、たくさんの人も遊びにきてくれて、いま当初の狙いとは全く違う感想を持っています。

 

通学中の出会いという体験については、【猫を拾って学校を目指す】というメッセージが強すぎて少し薄まってしまったかなと感じています。
学校を目指す途中で人を見かけても「お、誰かいるな」くらいのものです。
思えば現実もそんな感じだったかもしれない。

 

ただし偶然性の部分や、誰かと遭遇することについては、そこ(主に校庭)で会った見知らぬ人と一緒に猫を集めて並べるという一連の流れで十分得ることができると知りました。

たまにこっそりワールドをのぞきに行ってみても、全く知らない人同士が共同作業を行っているような様子が見られて「そうか、こんな風にして縮まる距離もあるか」と気づかされました。

画像

 ↑さいごの一匹を見つけた瞬間を目撃しました。

 

 

何度か、101匹すべて集めきる人たちに遭遇しましたが、なんとなくの流れとしては、

1誰かが「これは並べるものだと気づく」 
2一部の人が脱離
3興味を持った人は引き続き集めて、それをみてグラウンドに皆が持ち寄り始める
4集める役と並べる役に分かれる
5あと数匹になると、皆で手分けして探し始める
6さいごの一匹
7写真撮影

がよくあるみたいでした。

4くらいの段階で、ボイスやテキストなどが無くても自然にコミュニケーションが取れている様子なのは不思議だなぁと毎回思います。
自分が誰かと集めていても、やっぱり同じ感じになって不思議だなぁと思います。

あとは、一緒に猫を集めて並べた人のことは、記憶に残ります。

 

というような感じで、あんまりきれいにまとまった感じはしないですが、当初の想像とは少し形が違うものの、なにかしらの体験は提供できるワールドになったのかなと思ってます。

そこにたまたま誰かがいて何かをしている。というだけで偶然性については達成できるんだなあと思いました。

 

 

あとは、集める・並べるということに夢中になれるすごい人が一定の割合でいるということも知れて驚きでした。
101匹すべての向きを揃えて並べるようなことは、想定してませんでした。。。恐るべし。

 

 

書くって書いた気がするので書かねばと思い出しました。
101匹、これは頑張れば一人でも集められそうな気がするラインだったのかなと思ってます。
ある意味ちょうどよかったのかもしれないという事にしてます。

あと、ゲームバランス的な面だと「猫同士が反発しあってぶっ飛んで行って並べにくい!」というのもよく聞きますが、同時に「ぶっ飛ぶから意地でもきれいに並べたくなる」という声もあり、
「そんなもんか~」と思って、ここには手を加えていません。

「集めたらなにか起こるようにしては?」という意見ももちろんありました。これも同時に「集めても何も起こらないのがいいですよね」という意見も。

後者を採用。何も起こらない。それがいいんです。

おいロジャーてめぇ、ワンピースは本当にあるんだろうな??

その他、猫を投げて屋根の上に乗っちゃったら・・・

梯子を設置

皆で猫を探すときに手分けしやすかったり場所を伝えやすかったりするように場所に関する情報が欲しい

区画ごとに名前を付けて、そこに入ると画面左下に文字を表示

など、遊んでくださる方のアイデアを頂いて、少しずつ対応して調整しました。

 

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20220220現在、もっと根本的な「猫を建物の中に入れると回収不可能」ということについて対応できていないのですが、まだその事象を見かけたことがないのが幸運なのか、、、

誰かいい案あったら教えてください。
 

 

おわりに

作ってみてよかったです。

これに尽きます。

一緒に猫を集めてくれた方、面白いって言ってくれた方、ワールドを良いって言ってくれた方に会えたのがうれしかったです。

最近ワールドクラフト機能が実装されましたこともあり、自分の作った場所に人が来てくれるという感動をいろんな人に体験してほしいなと思いました。

誰の何の足しになるでもないただのメモ書きでしたが、最後まで読んでくださってありがとうございました。

 

 

モデリングや、ワールド制作その他

以下はおまけ。より一層メモ。

家について

今回、こんなに広い空間を作ったのは初めてで、特に家をたくさん配置する作業に苦しみました。

コピペ感を出したくない。


モデリングする時点で、
左右や前後を非対称にする / 物体を一部歪ませる / 色やテクスチャに頼りすぎず窓枠など凹凸を出すところは贅沢に切り込む
など、向きによって表情が出るように作ってみる意識をするものの、それでもやっぱりバリエーションに限界がある。

という事でこれはもう数の力で乗り切りました。
「Blenderを触ってみたい」「教えて」という友人たちがちょうどいたので題材に「家」を選んでみんなに作ってもらいました。
結果いま色んな家がある。
↓みんなに作ってもらった家

画像

これと、もともと自分が作った4種類くらいを、少しずつスケールを変えて配置してます。

感謝。

 

 

BGM

今回も、フリー音源の甘茶の音楽工房さまの楽曲を使用させていただいています。

猫を集めるのに時間がかかるので、飽きないように5曲順番に流れるようにしてます。

雰囲気に合うものをピックアップするも、どれもいい曲ばかり過ぎて選びきれない→じゃあ全部使おうという。
曲順にはこだわりました。
なんとなく時間が流れていくような感じになっていればいいなと思います。
あと一曲目は特にこれだ!というのを設定してます。

  

 

全体の外観

実はここが今回の制作では一番気を払いました。
なかなか納得のいく色合いにならず悪戦苦闘しました。

 

最終的に効いたのは、

・環境光をグラデーションにする

 

・屋根や丘などに使っているマテリアルのshaderにLegacyShader/VertexLitを使用

 

・PostProcessingのColorGradingで全体に統一感が出るように調整

 

 

だったと思います。

BEFORE AFTER

 

  

モノトーンっぽい雰囲気の物を作ることが多かったので、苦戦しましたし、彩色を施してもなんだか違う。深刻そうなビビッドな色合いを避けるのが難しかったです。

たまたま、amazon primeでとあるアニメを見ながら夜通し作業をしていたのですが、そのedで流れる映像には大いに影響を受けました。これだ、と思い無限リピート。勉強になりました。

そういえば、いつかこの作品をおすすめしてくれた人も、インターネットで交流のあった人だったな。今何してるんだろう。とかなんとか考えながら作業をしました。(余談)

 

  

画像

 

以上。
またなにか補足したくなったら書きます。

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