バーチャル空間における3D分子モデルの表現手法に関する研究

整理中です
※211217 バーチャル学会における議論のため、集計結果をすべて掲載しています

解析結果などは随時追加されていきます。
調査を実施したバーチャルワールドはコチラ



2021/12/18 virtual conference にて発表しました


【口頭(発表概要紹介)】

【ポスター】


ここから下が研究内容です。

Abstract

バーチャル空間を利用した、科学を題材にしたソフトウェアやサービスが急増している。現実世界では目に見えないミクロなものに能動的に触れられるようなバーチャルな科学体験は、今後広くの人に身近なものとなると期待される。

これまでに公開されているバーチャル科学コンテンツにおいて、バーチャルならではの3D分子の表現・デザイン手法の開拓についてはほとんど未開なようである。直観的に物体を扱うことができる環境において、既存の3Dソフトウェアに倣わないような、より強く感性に訴えかける表現手法の探索は、広く人に受け入れられるコンテンツ開発に必要な要素の一つであると考えられる。

ここでは、バーチャル空間での3D分子モデルの表現手法探索に向けて、ユーザーに対して実施した調査について報告する。様々な表面の質感やテクスチャを付与した3D分子モデルを作成し、バーチャル空間上で印象評価を実施した。実施した評価試験の内容及びその集計結果、解析結果について述べる。



Introduction

Writing…

背景

Writing…

本研究

Writing…

Material and method

調査は以下のClusterワールドにて実施した。

メタバースプラットフォーム cluster(クラスター)
「cluster (クラスター)」はスマートフォンやPC、VR機器など様々な環境からバーチャル空間に集って遊べるメタバースプラットフォームです。音楽ライブや発表会などのイベントの他、いつでも参加できるバーチャルワールドでチャットやゲームを楽しめます。

光源

D65(6500K)相当の光源と同等とされる、Intensity = 1.0, Color = #FFFFFF の Directional 光源を設置した。
光はサンプルに向かって左上45°から照射するように設計した。
Unity上でのShadow Type はSoft Shadowを適用した。

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: image-3.png

空間

サンプルから受ける印象への影響を排除するため、壁・床・天井いずれもグレー(R:128, G:128, B:128)の空間を用いた。
さらに評価空間について、Unity上でシェーダーをUnlit/Colorに設定することで環境光の反射や影の影響を排除した。

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: image-1-1024x447.png

サンプル


サンプルは3DモデリングソフトのBlenderにて作成し、外観の調整やテクスチャの付与はUnity上で行った。
各原子の色については Jmolから提供されているカラーテーブルを参照して適用した。

評価項目

以下の設問について、Google Formを用いて参加者から回答を得た。

Q1.   見た目は好きか(10段階)
Q2.   インパクトがあると感じるか(10段階)
Q3.   触ったり手に取ったりしてみたいと思うか(10段階)
Q4.   眺めていたいと思うか(10段階)
Q5.  見た目に親しみを感じるか(10段階)
Q6.   見ていて楽しいか(10段階)
Q7.   原子の色はわかりやすいと感じるか(10段階)
Q8.   形状がわかりやすいと感じるか(10段階)
Q9.   重たさはどの程度だと感じるか(10段階)
Q10.「分子っぽさ」をどのくらい感じるか(10段階)
Q11.  どんなオノマトペを連想するか(FA)


また、参加者の使用デバイス (PC, スマートホン, タブレット, ヘッドマウントディスプレイ) や 化学のバックグラウンドがあるかどうかなども同じくGoogle Formにより聴取した。

Results and discussion

評価者について

参加者の端末は以下のようであった。

スコアの単純集計結果

全回答者の評価スコアについてBoxPlotを行った結果を以下に示す。
X軸:サンプル番号
Y軸:評価スコア

各スコアの相関

全評価者の評価スコアの平均値について、Pairplotを行った結果を示す。

それぞれの質問項目に対して全評価者の評価スコア(平均値)について相関係数を算出すると以下のような結果が得られた。


Q1Q2Q3Q4Q5Q6Q7Q8Q9Q10
Q1 1.0000-0.00610.86330.87760.95540.79890.91810.94760.13510.9158
Q2 -0.00611.00000.40010.2338-0.08480.4284-0.00160.08290.8349-0.2139
Q3 0.86330.4000991.0000000.91410.81830.93420.81380.83710.41740.6936
Q4 0.87760.23380.91411.00000.86750.93550.87370.84330.26950.7677
Q5 0.9554-0.08480.81830.86751.00000.77700.94490.93150.02590.9020
Q6 0.79890.42840.93420.93550.77701.00000.81080.77850.35710.6439
Q7 0.9181-0.00160.81380.87370.94490.81081.00000.95070.07840.8650
Q8 0.94760.08290.83710.84330.93150.77850.95071.00000.24350.8826
Q9 0.13510.83490.41740.26950.02590.35710.07840.24351.00000.0714
Q10 0.9158-0.21390.69360.76770.90200.64390.86500.88260.07141.0000
Q1 Q2 Q3 Q4 Q5 Q6 Q7 Q8 Q9 Q10
この分子の見た目は好きですか?この分子の見た目はインパクトがあると感じましたか?この分子を触ったり手に取ったりしてみたいと思いますか?この分子を眺めていたいと思いますか?この分子の見た目に親しみを感じますか?この分子は見ていて楽しいですか?この分子を構成している原子の色はわかりやすいと感じますか?この表し方は、分子の形状がわかりやすいと感じますか?分子の重たさはどのくらいだと感じましたか?この分子は「分子っぽさ」がどのくらいあると感じますか?

オノマトペ

解析中です。

参加デバイスによる比較

以下は
左:VRデバイス, 中央:PCディスプレイ, 右:スマホ・タブレット
の参加者の結果をプロットした結果である。

X軸:サンプル番号
Y軸:評価スコア

参考文献(整理中です)

原子の色
・「Molecule Atom Colors – CPK Colors」 by SCIENCE NOTES
https://sciencenotes.org/molecule-atom-colors-cpk-colors/
・「Jmol colors」by Jmol
http://jmol.sourceforge.net/jscolors/


分子の表現手法について
・「Representation examples」 by Mario Valle Web
http://mariovalle.name/ChemViz/representations/


ライティング関連
・「物体色と光源色の違いについて」by KONICA MINOLTA
https://www.konicaminolta.jp/instruments/knowledge/color/section5/17.html
・「光源と観察者角度を指定する」by efi
https://help.efi.com/cws/FieryXF/7.2_cws_6.5/ja-jp/GUID-CCDFDD1C-EE11-4A35-9FEF-E91F07B4308C.html
・「色温度からRGB(sRGB)に変換(完成版)」 by ぎるばーとの日記
https://zwxadz.hateblo.jp/entry/2017/05/02/065537
・D65光源 wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/D65%E5%85%89%E6%BA%90


物体の印象評価関連
・A. Akiyama, Y. Akari, S. Hosoya, 日本感性工学会論文誌, 2016, 15, 327-336.
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjske/15/3/15_TJSKE-D-15-00075/_pdf/-char/en
・Y. Sasaki, T. Suzuki, T. Bando, Cognitive Studies, 2011, 18, 477-490.
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jcss/18/3/18_3_477/_pdf/-char/ja


この調査を行うにあたって
・「【レポート】ある調査をしてみた。Clusterにて。」
http://mittsu.online/?p=119
Cluster Creator Advent Calendarに投稿した記事です)


謝辞

評価に参加していただいた皆様(順不同, 事前のアンケートにて掲載可と回答された方のみ表記)
ヤキソさん、You Aoiさん、まといちゃんさん、noneさん、MatoKuzumiさん、Techonorさん、はわわぁさん、風杜鈴音さん、905さん、水星魔王さん、ぼっちさん、かわしぃさん、みずほコリさん、るーしっどさん、sankenさん、RikiSoさん、yomox9(よも)さん、magumacさん、moheijiさん、runeさん、べるさん、Doll_Kohaku0589さん、Felisさん、桃介さん、ふじたウミウシさん、さとさん、Ryukiさん、白狼さん
ご協力いただきありがとうございました。


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